透析治療現場&患者の告白映像…人工腎臓なんて生易しいものじゃない!!!
2008 / 04 / 10 ( Thu ) ※2008/4/10 超人大陸の下記の映像配信期間終了に伴い、現在のメインのブログの方に再アップしてあります。
http://meteors.blog85.fc2.com/blog-entry-141.html 超人大陸のカルショック・インタビュー内に登場した、NPO東京腎臓病協議会 会長の榊原氏。この人自身も腎臓を病み、血液透析治療を受ける患者の一人である。 ![]() ![]() ![]() 血液透析とは、腎臓が(一部、もしくは完全に)機能しなくなってしまった人が、機械を通して血液中の毒素を抜き、きれいにして戻すという治療だ。まずこのことだけ頭に入れて、映像を見てほしい。感覚で知り、この現状を脳裏に焼き付けることが一番大事だ。 ・榊原靖夫氏「知ってほしい、血液透析」 http://www.choujintairiku.com/culshock/sakakibara.html 私はこれを見てかなり衝撃を受けた。世間ではこの治療は「人工腎臓」と呼ばれるが、そんな生易しいイメージは吹き飛んだ。患者の方たちは隔日にあんな太い針を刺され、片方の手をほとんど動かしてはいけない状態で4時間あまりも拘束されなければならない。本を読んだりするのさえままならないのである。また、透析を終えた後もマラソンを走った後のようなドッとした疲労感が残る。(多少個人差はあるが) 腎臓は肝臓と共に、体に2つある臓器のため「片方売っちまえ」などよく作品上で耳にするが、とんでもないことだ。2つあるから片方くらい移植用にあげたって、という気持ちだったが、軽くそんなことは言えない。人生の大事な時間の多くを、病院ですごさなければならなくなるのだから。 「私は腎不全にならない」 なんて誰が言える?この榊原氏もとても細い方ではないか。不摂生だけが糖尿や腎不全につながるわけではない。遺伝子的になりやすい人というのも存在する。 この映像に衝撃を受けた私は、身近な方だけでも患者の方に取材を行った。そこには、透析の半端でない実態があった。 ●医者が伝える"幻想" 糖尿病などで腎不全に陥った人の処置は3つだ。 ・血液透析…榊原氏が行っているもので、隔日の午後か夜間いずれかに病院に通い、片腕から機械を通して血液をきれいにする方法。これを選ぶ方は片腕の血管の一部を指先までいかさず途中でつなげてしまうことにより、血流を早くし血管を太くする「シャント手術」を行っている。 ・腹膜透析…お腹の中に透析液の入った袋を入れ、体内で毒素をきれいにする方法。一日数回拘束が必要だが、自宅などどこででも行うことができる。 ・腎移植…家族、もしくは日本移植ネットワークの登録者から腎臓の移植手術を行う。 簡単に書いたが、この中で医者がまず進めるのは何か。「腹膜透析」だ。どこでも透析できるメリットがあり、社会復帰が可能だからだ。だがそこに、医者の伝える"幻想"が隠されている。 腹膜透析は腹膜炎が背中合わせであるデメリットが大きいが、それは選択を迫られた患者には伝えられず、メリットだけが伝えられるケースが多い。それはなぜか。 血液透析患者などあまり抱えたくない、ベッドが埋まってしまう、などなど、病院側の本音が隠れているからだ。もちろん全部の病院がこうではないが、保険適用の大きい障害者を抱えるより腹膜炎やその他の手術や治療の方が病院が潤うのは悲しいが事実である。 また、腹膜透析のデメリットとして風呂の度に注意事項があったり、お腹に負担のかかる運動や水泳はNGとなる。むしろそういう点では血液透析患者の方が自由が多く(シャントの腕さえ気をつければ)、社会復帰の有効性を考えると疑問が残る。また、腹膜透析から血液透析に戻ってくる人が多いのも実態だ。 ●アメリカ型「移植主義」の実態 私たちはおそらく映画や読み物の影響で、内臓移植に対する価値観が一定してあると思う。「成功率の低さ(手術&適合性)」と、「成功すれば健常者に戻れる」というイメージ。 アメリカは国が医療保険をほとんど行わないため、医療費負担が患者側にバカ高くなる。そのため、このイメージの元に国も医者も移植を真っ先に勧める。透析は二の次だ。そして、成功率を上げるのに躍起だ。私たちも成功率さえ高ければ、移植を望むだろう。 だが、今回はじめてまともに臓器移植に向き合ったおかげでわかったことがあった。それは、手術が成功した後も拒絶反応の恐怖に一生追われるということだ。 移植手術の時に拒絶反応が起きなくても、もしくは起こさないよう、患者は免疫力を低下させる薬の投与を強いられる。人間の免疫こそが拒絶の原因だからだ。つまりこれはどういうことかというと、 腎不全は治っても他の病気で死ぬ可能性は上がってしまうということである。 血液透析患者は脅される。「こうなったからにはそう長くないかもしれません」と。実際ベッドで隣り合わせた顔見知りは少しずつ減っていく。だからといって、長生きできないわけじゃない。透析を続け何十年も、健常人と同じ寿命を生きた人も数多くいるのだ。 逆に上記したように、腹膜透析や腎移植をしているのにそのリスクやデメリットで命を落とす人もたくさんいる。 健常者である私がえらそうなことを書けないが、その選択は「腎不全で余命~」の非情の宣告を受けたすぐ後に、決めなければいけないのだ。そしてそれが人生を左右する。 状況に流され、医者に流されではいけない。自分と向き合い、人生最大の決断をしなければならない。 これは常々私が言ってきた、「周りや感情に流されず事実を追求しなければいけない」ということに通じると思う。 最後に、どの治療であれ、この先どんな方法が編み出されたとしても、 腎不全にならないこと、病気にならないことが一番なのだ。 必ず言われるのが食事、運動、生活リズム。お金を言い訳に、仕事の忙しさを言い訳に、自分の体を、特に内臓をいじめてはならない。 ●参考資料 ・腎臓のはなし(もちろんデメリットにはあまり触れない) http://www.terumo.co.jp/capd/Kidney/page07.html ・治療、予防に対して本当に様々な話しが聞ける「超人クリニック」 http://www.choujintairiku.com/igaku/ スポンサーサイト
|
| ホーム |
|